アメリカ人のボブ

アメリカ人であることがどこか飛んでいるボブ

日本人からすると、アジアの人より隣人であると感じてしまうのは、アメリカ人かもしれません。
アジアの人は、意外と日本語を話すことを良しとしません。
政治的な背景もありますが、アメリカ人の場合には、元々が人種のるつぼであるということで、英語優先ではあるものの言語の境目があまりなく、そこまでの抵抗感がないようです。

日本人が、普段から映画やドラマでアメリカ人を見たりしているところも重要でしょう。
それがとても近い国として感じることができる要素ではありますが、本当の距離を考えるとアメリカははるか遠くの国なのです。
そんなアメリカから来たボブは、全くもってアメリカ人であるということを忘れさせる存在でもあります。

オタク文化にかぶれたから

オタク文化に憧れ、秋葉原を聖地とあがめるボブは、日本語はあまり上手ではないものの日本かぶれの青年です。
身長190cmを超える大柄にもかかわらず、先日一緒に秋葉原に行った時のように、いったい元ネタが何だかわからないようなキャラクターシャツを着て出てきます。
やたらがっちりした体格は、アメリカンフットボールで鍛えられた肉体で、それが萌えキャラのシャツをぴちぴちにして着るのですから、これまた異様な光景なのです。

本人からすると、全く気に掛けるところもありませんが、とにかくオタク文化に触れていることが楽しいらしいようで、こちらが困ってしまうことさえあります。
日本人は皆オタクじゃないんだから。

意外な連携もあるもので

ボブの場合には、日本に侍がいるのではなく、オタクばかりが存在するものだと思っていたようです。
アニメの文化が一般的で、そんな世界が日常的に繰り広げられている…よく考えればそんな世界があるわけではないのですが、彼にとってはそう思っていたのでしょう。
ある意味で、侍が歩き、天井裏に忍者がいるより恐ろしいと思うのは、私だけではないはずです。

それでも、彼はオタク文化を心のよりどころにして日本に来ました。
勢いで飛び出してきたようで、仕事も何も考えず、オタク用語を片手に来てしまえるのは、アメリカ人の持つ行動力の表れでしょう。

ボブを助けたのは、意外にもイギリス人のジャックでした。
イギリス人から見ると、アメリカ人は親を捨てて出ていった不肖の息子といった感じに映るそうで、なんとなく皮肉混じりながら小さな貿易の会社の英語担当という絶好の環境を紹介してあげたのです。

ただし、そこでも問題になったのは、ボブのオタク文化的発想だったのは言うまでもありません。
それでも研究熱心なボブだったことから気に入られ、今では片言の日本語を片手に、輸入書類などを頑張って作っているのです。

短期滞在が多い外国人の中でも、うちのシェアハウスは長く住んでいる人も多く、こんな連携が生まれたりするのですから面白いものでしょう。