イギリス人のジャック

皮肉というエッセンスはシェークスピアの国だから

イギリス人とは、皮肉を言わなければ生きていけない人なのだとわかったのは、シェアハウスに住んでからです。
よくよく考えれば、シェークスピアの国なのだからそれも当然なのかと思ってしまいますが、身近にいると、それが本当によくわかります。

イギリス人のジャックは、御多分の洩れず皮肉が混じったイギリス人です。
何か一言いうときにも、どこかに皮肉が混じっており、それが日常化してしまっています。
日本人相手の英語教師をしているジャックですので、皮肉の質も多様化しており、どれが皮肉だかわからないことすら出てくるのです。

それでも、彼にとって皮肉とは形容詞の一つであるということだけで、何か悪意があって使うわけではありません。
それさえ分かれば、彼は優秀な人であり、手を携えて歩くことができる隣人なのです。

大事なお茶の時間も文化

イギリス人の文化といえば、何を差し置いてもお茶でしょう。
フランス人から食文化は育たなかったくせに、お茶だけはうるさいと揶揄させるように、お茶というものに対して強いこだわりがあります。

イギリスでは、喫茶店というものはほとんど存在せず、各家庭や職場にお茶のスペースがあるそうです。
当シェアハウスでも、彼のお茶好きはよくわかっており、できるだけ邪魔をしないというのが暗黙の了解になっています。
それでも、パーティタイムになれば、無理やり引きはがされてしまうのですが。

それでも、大切な紅茶だけは、誰も手をつけたりすることはありません。
ジャックにとって神聖なものであり、最も手を付けてほしくないものだからです。
こうした文化へのリスペクトということも、シェアハウスで生活していくためには重要なことといえるでしょう。

サッカーはイングランドの国技

皮肉屋で、普段はおとなしいジャックですが、ひと月をつけなければいけないのがサッカーの時です。
熱狂的なサッカー好きであるため、お気に入りのチームやイングランドのナショナルリームが映っているときは、決して邪魔をしてはいけません。
イギリス人にとっては、お茶の次に重要なのはサッカーでありフットボールなのです。

アメリカ人のボブにはいまいち理解できないことでもあるようですが、ブラジル人のジョアンとは息が合うところになります。
しかし、お互いのナショナルチームが世界的にも有名なため、口論になると止まりません。
それだけ熱くなるスポーツなんだということがわかりますが、とくにイギリス人は皮肉よりも熱くなりやすいので、注意が必要だともいえるでしょう。

だからといって、彼が暴力的だということではありません。
紳士であることは間違いなく、普段の性格は皮肉交じりではあるものの温厚で、皮肉を言いながらも面倒見がいいのです。
それがわかっているからこそ、みなと仲良く生活していくことができるといえるでしょう。